大小の差はあれど、目標があるということはすこぶる楽しいものです。そこで目標ができた時の守破離の進み方について自分なりの方法を書いてみたいと思います。
武術の世界に触れてきたものの、だいぶ後になって知った言葉があります。
それは守破離。
直訳すれば、まずは守ること。そしてそれを破り、最後には離れること。
難しく考えることもなく先ずは何かを習い覚える時、その教えを守ることは普通ではないかと思います。
要は守るべき型があり、それ通りにまずは学ぶ。その型を自身の勝手な解釈を入れずに、そのままを再現出来るように繰り返して覚える。
型にはめられるということが嫌いという人もいるでしょう。
もちろん、一人で試行錯誤しながら何にも縛られず向上することもありだとは思います。
その上で、伝統と呼ばれるものなどに関しては過去の歴史の大いなる蓄積があります。
一代だけでは到底到達し得ない程の叡智の結晶がそこには存在します。
それをみすみす見逃す選択肢は自分にはありませんでした。
歴史を勉強することは、自分の経験していない森羅万象のことを経験させてくれるとても貴重なものでもあります。
究極でいえば、本来であれば生死に関わるようなことをノーリスクで会得することも可能だということです。
一回きりの人生でという視点では、こんな宝は他にはありません。
とにかく正確に、形だけでなく空気感や意図、本来の意味などを出来るだけ深く刻み付ける。
実はこの作業には終わりは無いと思っています。
ここまでいけば終わり。
そんな世界なら成長が止まってしまう。
なにより探究が終わることはつまらないものです。
守破離の「守」をひたすら守る。
そうすれば自ずと個性が生まれます。
なぜなら、人は一人一人別人だからです。
生まれも育ちも、信念や環境も、時の進み方さえも密度や純度という観点からは全く違うと考えます。
その個の身体から教えを守ることによって生まれる個性。
それこそが守破離の「破」。
わざと違うことをしたり、逆らったりすることとは次元が違うもの。
己の殻を破る。
その繰り返しは堪らなく幸せな時間だと思います。
守破離の離は、少し寂しさが残りますがそれを上回る自由を手に入れる時ではないかと思います。
『天によって完璧に決まっていてそれが故に完全に自由だ。』
バガボンドという好きな漫画の台詞。
この感覚が今一番しっくりきます。
自分にとっての「離」を表してくれる素晴らしい表現だと思っています。
改めて自分というものを表す言葉というものが奥深い。
言語化出来ない思考はまだまだ数え切れません。
強くなるためには智慧が必須。
言葉を学ぶためにも、読書や書道などもお勧めします。