最近話題の「いたす力」ではなく、「いなす力」。「相手をいなす」というように、武術や格闘技、または護身術などにおいては少し高級な身のこなしの一つです。このことについて書きたいと思います。
いなすの意味としては、急に体をかわして相手をよろめかせる。転じて、相手の攻撃や追及を軽くかわすなどが一般的だと思います。
ただ微妙なニュアンスですが、
「かわす」と「いなす」では受け取る人にもよりますが、似ているようで非なる表現になります。
ここが日本語の良いところだと思うのですが、その言葉によって重みや軽やから、どの様な場面かある程度想像が出来ることだと考えます。
いなす。
何処となく気品があり、色気もあるようなそんな言葉でもあるように感じます。
どんな物理的な攻撃も、精神的な攻撃でさえ、諸共せずにすべていなすことが出来たら人生穏やかに暮らせそうではありませんか。
人生の達人はいなすことが上手いように感じます。
敵を作らないにも通ずるものです。
ヒントはそこに居ないことです。
目の前に居るのに、居ない状態を作り出します。
相手が居なくなれば、そこに向かう力は目的地を失います。
なので力が抜け、思っていないところに吸い寄せられたりします。
知っているか知らないか。
これもそんなモノの一つです。
「いなす力」とは技術というものだけではなく、そんな生き方が出来ればだいぶスマートに暮らせますよ。