バカの壁 著養老孟司より、「間を抜く」というとても興味深い表現があったのでシェアしていきたいと思います。
イチロー選手の秘密という部分と画家のピカソの秘密というところで、とても興味深い部分がありました。
先ずはイチロー選手の打球をとらえる反応の速さの秘密とは。
通常の人が
A→B→C→D
こうなら、
イチロー選手は
A→D
本ではこのように反応の間を抜いていると表現していました。
画家のピカソの絵の秘密とは。
通常では普通の感覚として皆が持っている空間把握能力。
あの絵を描くにあたり、あえてその能力を消し去ったという表現でした。
通常の人が
A、B、C、D
と能力を持っているとして、
ピカソは
A、D
だけの能力に限定し絵を描いたとあります。
この2人に共通しているものとは?
普通にあるものを無意識にしろ意図的にしろ『間を抜いている』ということ。
これは非常に武術の発想に似ています。
一つ一つレベルを上げることを表現するなら、A→B→C→Dのそれぞれの各数値を上げるようなもの。
筋肉をつけ、瞬発力を高め、柔軟性を増し、全体的なパフォーマンスを上げる。
この方法も何かを向上させるには良い方法だと思います。
しかし、
方法は一つだけではありません。
その他に腕を上げる方法があるとするならばこんな方法も挙げられます。
間を抜く。
A→D
間の不要な部分を削ぎ落とす。
なくす。
武術的な言葉で表すとするなら、
無拍子。(拍子を無くす)
様々な世界で高度な意味合いを持つものと思われます。
予備動作なし。
これはこの世界を知っているか知っていないかの世界。
天才と呼ばれる人間が使用している感覚の一つ。
著書でも物理的には同じような脳なのに、使い方次第とありました。
また面白いのが、このようなB Cをすっ飛ばすことが賢いか賢くないかというと、どちらともいえないというところです。
生きていく上で、ある方がいい場面もあるし、ない方がいい場面もあるでしょう。
基本的にはすっ飛ばさない方が大衆であるため、ある種では特殊な能力が世間では認知されにくいこともあるだろうとありました。
ただ
天才の行っていることを、その世界をのぞいてみたいという欲はないでしょうか?
自分は凡人生まれの凡人育ち。
それ故に死ぬまでに、その感覚を体感したいという思いをとても強くもっていました。
想えば叶う。
とはよく言ったもの。
そして、
間を抜く感覚は知れば説明が出来るもの。
知れば使えるものであり、だからこそ秘伝と呼ばれてきたもの。
誰もが使える人の叡智。
立芯道場では、
そんなことも伝えています。