身体的自由

力を捨てて、力を手に入れる

日頃から力は使わないようにと常々お伝えしていますが、これは筋力を全否定している訳ではありません。それだけに頼らない方が全体として良いパフォーマンスを行うことが可能ですよという意味になのですが、今回はこのことについてマニアックに話したいと思います。

筋力は使わない。

のに

身体全てを活用するとは?

そうすることによってのみ可能な技の数々を現在立芯道場という場で伝授させていただいています。

日々そう説明はしていますが決して筋力を馬鹿にしたり、下に見たりなどは決してしていません。

むしろ、

筋力の怖さは身体に奥深くに染みついているほどでその力を身につけたアスリートの方々を心の底から尊敬し、そして畏怖してもいます。

継続的な筋トレやウェイトトレーニングもやめて、もう15年以上は経ちます。

部分的な鍛えることを辞めたのには明確な理由があります。

しかし、

その辞める直前まではバリバリの筋肉マンでした(笑)

今70そこそこの体重が、当時はちょうど100Kg。

今の自身からは想像がつかないほど、大きかったと記憶しています。

筋力も大きな身体も手に入れたにも関わらずなぜ筋トレを全て辞めたのか?

それには2つの理由がありました。

一つは、

元々細身だった身体に筋肉をつけ過ぎ、動き辛く身体の稼働範囲が狭まったこと。

もう一つは故障。筋肉をつけたことによるものではなく、つける過程において知識があまりないままオーバーワークをしていまい身体を壊してしまったこと。

これらはネガティブな理由ですが、ポジティブな理由もあります。

元々の理想は、歳を重ねても成長し続ける達人になること。

歳を重ねるに連れて、誰しもが落ちるものといえば筋力と体力。

そうであれば、

誰よりも早い段階で筋力と体力を無くして条件を合わせて、それでも筋力のある人達と渡り合えるようにする。

いつか力が無くなってからその時初めて模索するのではなく、最初から力を使えない状態に持っていこうと考えました。

以上の理由から筋トレとウェイトトレーニングをきっぱりと辞めました。

最初の不安感は想像を絶していました。

トレーニングで身に付けた肉体が日に日に萎んでいく恐怖。ただただ怠けているだけではないのかという自問自答を繰り返しながらも、自らの理想に近づくためと別の道を進み続けました。

あれから15年。

筋トレという筋トレはしていません。

食欲も普通。

想像通りかどうかはまだ分かりませんが、確実に理想の道を近付いてきたとの実感を持てるようになりました。

筋肉全盛の当時よりも身体が成ってきた。

当時は出来なかったことが、色々と紐解かれ出来るようになってきました。

モデルが実在していたので辿り着ける確信はありましたがやはり嬉しいものは嬉しいものです。

おそらくは、

筋力を追い求めていたら手に入らなかった力。

力を失ったが、

成った身体を手に入れました。

どっちが良いとかではなく、理想とするステージに辿り着けました。

ここからだ。

ここから、

自らの身体をより成らせることと同時に、それを望む仲間に全てを伝える。

この二つを強く望みます。

力を捨てて、

力を手に入れる。

今から思えば

遠回りのような近道のような

不思議な道のりでした。