身体的自由

身体の宝探しは終わらない

ここで言う身体のクッションとは、人の骨格構造の仕組みのことです。背骨がSの字の形になっている意味の一つは身体に掛かる負荷(ショック)を逃す為にあるそうです。ではこの利点を無くすとはどういうことかお話ししたいと思います。

身体には強い衝撃が加わった非常事態に対処する機能が備わっています。

例えば背骨の形、そして各関節の遊びのことをいいます。

この衝撃を逃すクッション機能こそが身体に大きなダメージを負いにくくする装置であるとともに、外部に向けて力を伝え辛いという両極端の機能を搭載するという皮肉なこととなりました。

その力を逃すクッションを発動させる仕組み。

その便利な仕組みが逆に要らない場面というものが存在するとしたら。

この仕組みを逆手にとって利用することが出来たとしたら。

そうすれば、

自らの力を余すことなく相手に

伝えることが出来たりします。

固くて強靭な人間をフニャフニャにしてしまい、弱い状態にさせることも出来ます。

無意識で行なっているものだからこそ、これは逃れられないものになるのです。

知っている者と

知っていない者とでは、

観ている視点が別世界になる。

それを生活に役立てたとしたら。

アスリートが試合で使うとしたら。

施術を効果的に行うとしたら。

身体のクッションをなくすことは、

各パーツの遊びをなくすこと。

背骨を一つの棒として捉えて、

各関節の遊びを固定して繋がる。

そんな身体操作は武術の世界では普通に存在します。

その感覚を利用すると先のような不思議な身体操作に繋がるという寸法です。

この身体にはまだまだ未開拓な使い方が眠っています。

肉体が死ぬまでにどこまで使い切れるか。

身体の宝探しはまだまだ終わりません。