ここで言う『姿勢を正す』とは、重力に対して垂直方向に骨格を正しく組み立てる事です。
重力に対して無理のない骨格の配置。
余計な力とは、重力に対して倒れそうになる身体を支え続ける力のことです。
正しく立てていなければ、より斜め方向に力が流れていきます。
これを止めなければならないから、その支えている筋肉や筋はいつも固い状態になるというカラクリです。
立ち上がったばかりの赤ちゃんは上手に骨格を使って立ち続けます。
グラグラしているのは筋力がまだ上手く使えないからです。
骨のバランスで立っているからグラグラしながらも立ち続けられる。
あれは筋力を使わずに立つ理想系でもあります。
成長するにつれ筋力が発達すると、バランスよく立たなくとも筋力が支えてくれるようになり立つことが疎かになります。
これが余計な力が入ってしまう様になる最初の常識です。
力を使わずに立ち、力を使わずに動く。
これが出来て初めて達人の身体操作が可能になります。
姿勢を正すとは元々誰もが出来ていた、立ったばかりの自分に戻る作業でもあります。
最後には『この感覚、知っている』とそう言える様に、日々『立つ』ことを積み重ねていきたいと思います。
立芯《旅する姿勢家》
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