「先ずは素直にやるだけ」
この言葉は、時に安易に聞こえるかもしれません。深く考えずに飛び込むことや、言われたことを鵜呑みにすることと混同されることもあるでしょう。
しかし、本質的な意味において、この言葉は物事を始める上で、そして成長していく上で非常に重要な鍵を握っています。
私たちは、何か新しいことを学ぶ時、あるいは目標に向かって進む時、どうしても頭で考えすぎてしまいがちです。
「本当にこれで良いのか？」「失敗したらどうしよう？」「もっと効率的な方法があるのではないか？」といった思考が頭の中を駆け巡り、なかなか最初の一歩を踏み出せないことがあります。
しかし、多くの成功者や成長を続けている人たちは、口を揃えて「まずはやってみること」の重要性を語ります。
「良くも悪くもやってみることが先だからです。違うと思ったらやめれば良いだけのこと」。
どれだけ頭の中で完璧な計画を練り上げても、実際にやってみなければ見えてこない現実や、肌で感じられない感覚というものが存在するからです。
武術の世界にも「守破離」という言葉があります。これは、まず教えられた型を忠実に「守り」、その上でそれを「破り」、最終的には型から「離れる」
まずは疑わずに受け入れ、身体で覚えること。そこから全てが始まるのです。
新しい価値観や情報に出会った時も、まずは素直に受け入れてみる姿勢が大切です。
「今まで知らなかった、だからこれからの人生得する事だらけ」と捉えることで、学びの扉は大きく開かれます。
逆に、「今まで知らなかった、だからこれまでの人生損していた」と感じてしまうと、成長の機会を自ら閉ざしてしまう可能性があります。
もちろん、ただ闇雲に行動すれば良いというわけではありません。しかし、完璧な準備を待つのではなく、まずは小さくても良いので行動を開始し、その過程で得られた経験やデータに基づいて理論を構築し、修正していくという「順算思考」も、特に初心者にとっては有効な考え方です。
正しい梯子を掛ける場所を知っている人がいるならば、最初からその梯子を登る方が効率的です。しかし、その正しい場所を知るためには、まずは教えを素直に受け入れ、実践してみることが不可欠です。頭で考えてばかりいても、梯子の場所は見えてきません。
「今出来ないのは生まれ持った才能などではなく、ただやっていないだけ」。そう捉えれば、まずは素直に教えられたことを実践することが、目標達成への最も確実な一歩となるはずです。
さあ、あなたも今日から「先ずは素直にやってみる」という姿勢を意識してみませんか？ きっと、これまで見えなかった新しい世界が開けるはずです。
立芯《旅する姿勢家》
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