人の身体は本当に良く出来たもので、様々な部位に様々なギミックが隠されていることに驚きを隠せません。その中の一つ人の皮膚について武術の視点も交えて考察してみたいと思います。
ある特定のシチュエーションではありますが、相手の腕などを自身の手で掴んだ事を想像して下さい。
その掴んだ手には何が触れているでしょうか?
相手の腕ではないか!とツッコミを入れられそうですが、もう少し深く考えます。
触れているのは相手の皮膚、そしてそれに触れているのも自身の皮膚です。
筋肉や骨に直接触れている訳ではないことは頭では知っているとは思いますが、触れた皮膚感覚で知覚している人がどれだけいるでしょうか。
此処が理解出来れば、武術だけの狭い世界の話だけではなく、施術やスポーツ、それこそ人間関係などにも応用出来る優れた感覚だと個人的には思っています。
人は何層にも分かれていて、それでいて一つというなんとも不思議な物体です。
そして人体には遊びというような余裕があちらこちらにちりばめられているか。
これがもしなければ、スグに皮膚は破れ、筋肉は断裂し、骨は折れてしまう。
そうならない為にショックを全身全霊で吸収し流すという素晴らしい仕組み。
その仕組みを丸ごと利用する。
此処に武術の面白さがあります。
人の構造をまた違った視点から見つめ直す。
人に備わった神の如きシステムを、知り得た上で利用する。
そんなことを一つ一つ紐解く時間が稽古の時間。
そう考えるとワクワクしませんか?
一つくらいそんな場があっても良いんじゃないかと思ってのんびりと立芯道場を行っています。