健康的自由

プラスマイナスゼロはゼロではない

何もしないでぼうっと立っている状態と、正しく「一立」している状態。

外見上はどちらも静止しているように見えるかもしれません。

しかし、その内実には天と地ほどの差があります。

真の静止とは、力が消えて無くなった状態ではありません。

「押す」力と「引く」力が極限まで高まり、同時に存在することで均衡が保たれている、きわめて動的な状態です。

例えるなら、ゴムを両手で力いっぱい引っ張って止めている時のあの感覚です。

見た目は動きが止まっていますが、そこには凄まじいエネルギーが備わっています。もしどちらか片方の手を離せば、一瞬で凄まじい力が弾け飛びます。

この「力が備わっているけれど、動いていない」という状態を、自らの身体で再現させること。

それが大和の姿勢講座で磨き上げる「張り」の正体です。

高速で回転する「独楽(こま)」も同じ理屈で動いています。

激しく回転しているからこそ、中心軸は微動だにせず、まるで止まっているかのように見えます。

しかし、ひとたび何かが触れれば、その回転エネルギーが牙を剥きます。

「一日一立」で目指すのは、この独楽のような静寂です。

ただ筋肉を緩めるのでもなく、ガチガチに固めるのでもない。

イメージの力によって全身に適切なテンションをかけ、内側に巨大なエネルギーを充填したまま静止する。

この「プラスマイナスゼロ」の均衡を保てるようになると、身体のOSは劇的に進化します。

均衡が崩れた瞬間に、爆発的な動きへと転換できる。

あるいは、どんな衝撃が外から加わっても内側の均衡によって無力化できる。

そんな「備わった力」を身に宿したとき、あなたの立ち姿はもはや単なる姿勢ではなく、一つの芸術へと昇華されます。

静寂の中に、無限の動を秘める。

その深淵な感覚を共に探究していきましょう。

立芯《旅する姿勢家》

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