武術の稽古に、終わりはありません。
どれだけ学んでも、どれだけ鍛えても、さらにその先がある。
それは、ただ果てしないのではなく、歩めば歩むほどに深まり、濃くなっていく道です。
この「終わりがない」という感覚は、時に不安を呼びます。
いつになったら到達するのか。
ゴールが見えないまま、果たして進めているのか。
そんな問いが、頭をよぎることもあります。
けれど、あるとき気づいたのです。
終わらないからこそ、一瞬が尊い。
完成がないからこそ、今この稽古が、かけがえのないものに変わる。
日々の立ち方ひとつにも、新しい気づきが生まれる。
同じ動きを何年続けても、ほんの少し視点が変われば、まったく別の世界が現れる。
そうして、一瞬一瞬の「濃度」が、静かに深まっていくのです。
終わりがないということは、ゴールを急がなくていいということでもあります。
何かを“成し遂げる”ためではなく、いまこの瞬間を“生き切る”ことのほうが、ずっと大切なのかもしれません。
日々、同じようなことを繰り返しているようでいても、
からだの中では、心の奥では、確かに変化が起きている。
それを信じられるかどうかが、稽古の密度を決めていくのだと思います。
あなたの日々にも、もしかすると終わりの見えない道があるかもしれません。
それでも、どうか安心して、一歩ずつ立ち続けてください。
その歩みが、時間の質を、静かに変えていくはずです。
立芯《旅する姿勢家》
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あなたの歩みが、たとえゆっくりでも、濃く確かなものになりますように。
