武術の技を掛ける時、療術で人に触れるときの手を表す表現として優しく触れて下さいとよく言います。この手についてもう少し深く書いてみたいと思います。
相手に対して、手で触れる。
その中身は
強く触れる、
弱く触れる、
激しく触れる、
優しく触れる。
触れるという動作一つをとっても、様々な触れ方があります。
触れ方といえば、技術という風にも捉えられやすいですが気持ちの持ちようでもあると考えます。
喧嘩相手に触れることと、産まれたばかりの赤ちゃんに触れることは、本能的に違う手の感覚になっていることはなんとなく理解出来るのではないでしょうか。
そこには技術というより気持ち。言い方を変えれば心持ち。
心持ちは身体に現れる。
雑な気持ちは動きも雑になり、丁寧な気持ちは動きも丁寧になる。
であるとするならば、
大切なのはマインドセットではないかと気付くと思います。
その人の生き方自体が、マインドセットとして身体に現れる。
いくら表面上いいことを言っていても、身体でバレます(笑)
身体の芯を整えるということは、心の芯を整えること。
小手先の技術うんぬんより、その人の本質そのもの。
本来の自分。
それが一番最初。
近所付き合いなどが減り、人間関係が希薄になったと言われてだいぶ時が経ちました。
しかし、
気の合う人との付き合いは年々深くなってきているように実感します。
要は表面上だけで、付き合うことに疲れた結果、より自分自身と感覚が合う人達のみと付き合うようになってきたのではないかと推測します。
触れるも人付き合いも、根本は同じ。
そこに気持ちが入っているか、入っていないかで天地ほどの差があります。
世界を変えたければ、まず自分からとはよく言ったものです。
自分の芯がブレなければ、相手に対してもブレずに付き合えるもの。
それは相手側にも自然と安心感を与えるものになると思います。
優しい人間になるとは、優しい身体になること。
そうすれば、周りへのあたりが変化し、世界が優しくなるかもしれませんよ。