人と分かり合うには、時間がかかります。
これは当たり前のことのようでいて、現代ではほとんど忘れ去られている事実です。
SNSで数秒の印象が「その人のすべて」になり、一度のやり取りで「合わない」と切り捨てる。相手の一時的な感情や態度に振り回されて、こちらまで心を乱される。
でも、冷静に考えてほしいのです。
その人の一瞬の言動は、その人のすべてではありません。
その日の体調、抱えている事情、心の余裕。それらが複雑に絡み合って表に出たものにすぎない。
だからこそ、言い切ります。
一時的な感情や態度で、こちらの軸を動かす必要は、全くない。
これは冷たいことではありません。
むしろ、相手を本当に大切にしたいからこそ、長い目で見る。
一回の出来事で判断しない。
恵みと愛をもって、時間をかけて、お互いに育める関係性を組み立てていく。
わたしはこの姿勢を、講座でも貫いています。
受講生との関係は、一日で出来上がるものではありません。
何ヶ月も共に立ち、共に呼吸し、少しずつ信頼を積み上げていく。
最初は「しっくり来ない」でいい。むしろ、しっくり来ないが最上です。
そこから時間をかけて、身体が変わり、在り方が変わり、関係が深まっていく。
講座だけの話ではありません。
社会も、家族も、友人も、すべて同じです。
今の世の中を見てください。
人種で敵対する。
国で敵対する。
性別で敵対する。
世代で敵対する。
わざわざ敵を作りに行っている。
なぜか。
軸がないからです。
自分の真ん中が定まっていないから、外の刺激にいちいち反応する。
誰かの発言に揺さぶられ、怒りに巻き込まれ、不安に支配される。
そして「あいつが悪い」と外に原因を求める。
これは身体の世界でも全く同じ構造です。
身体の軸が通っていない人は、ほんの少しの外力で崩れます。
押されたら倒れる。引っ張られたらついていく。
自分の重心がどこにあるかすら分からない。
でも、骨と肚で立てている人は違います。
外から何が来ても、揺れはしても、戻れる。
崩れても、真ん中に帰ってこられる。
心も全く同じです。
誰かに何かを言われても、一時的な態度を見せられても、戻れる場所がある人は揺るがない。
揺るがないから、相手を長い目で見る余裕が生まれる。
余裕があるから、恵愛をもって接することができる。
心穏やかに、豊かに暮らすために必要なのは、環境を完璧にすることではありません。
自分の軸をしっかりと育てること。
そして、その軸を毎日育み続けること。
何があっても、常に真ん中に戻れるように。
そのために、毎日の習慣がある。
一日一立がある。
たった数分でも、毎日立つことで身体の真ん中に戻る。
身体の真ん中に戻れる人は、心の真ん中にも戻れる。
心の真ん中に戻れる人は、人間関係の真ん中にも戻れる。
急がなくていい。
一時の感情に巻き込まれなくていい。
時間をかけて、恵みと愛をもって、育んでいけばいい。
分かり合うための時間を、惜しまないでください。
その時間こそが、本当の関係性を作る唯一の材料です。
あなたの日常が、少しでも深く、芯のあるものになりますように。
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