もし現代の効率やスピードばかりを追い求める日々にどこか大切な何かを置き忘れてきたような感覚があるなら、一度古き日本の智慧に目を向けてみませんか。
かつての日本人が大切にしていたもの。そこには現代のわたしたちが直面している多くの課題を解き明かす鍵が隠されています。
それは神道、心意気、そして身体操作です。これらは別々のものではなく、一つの大きな生き方として繋がっていました。
万物に対して畏敬の念を抱く神道の精神は、単なる宗教観ではなく自らを常に清らかに保ち世の中のために尽くすという仁義や利他の精神の根幹でもありました。
その高潔な「心意気」を支えていたのが、実は卓越した身体操作です。
昔の日本人は筋力で身体を動かすのではなく中心である肚を使い、重力と調和する術を心得ていました。身体の理（ことわり）にかなった動きは無駄な力みを抜き、心に深い静寂をもたらします。
身体が整えば心意気が定まる。心意気が定まれば自ずと在り方が美しくなる。
かつての日本人は、日々の何気ない動作の中に神聖な調和を見出していたと考えます。
まっすぐに立つという最もシンプルな行為の中に、古き日本人が磨き上げた智慧を宿らせることは可能です。
効率や損得を超えた先にある、誇り高い生き方の再生。その第一歩は、自身の身体という最も身近な器を整えることから始まるのではないでしょうか。
立芯《旅する姿勢家》
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