身体的自由

大人には真似出来ない身体操作

公園などで遊んでいる子供達をふと見てみると危なっかしい場面がよく目に付きます。ただ、危なっかしいものではあるものよ、大きな怪我等に発展することはまずありません。大人が同じ動きをしていたとしたら結果はまるで違うでしょう。それでは子供と大人は何が違うのか?大人は子供の身体操作は出来ないのか?これを読んでもらえれば、大人でもきっと希望を持てるようになると思います。

最近コケたことはありますか?

子供の頃はあれだけ転んでいたのに、大人になると基本的には転ぶことは少なくなります。

それは進化というよりかは、経験や身体の作りが成長共に強くなった結果なのではと考えます。

基本的には特に意識しなくてもそうなるモノでそれを不思議に感じたことはないのでないでしょうか?

僕は逆に不思議なことがありました。

それは子供の頃は激しく転んだところで怪我という怪我をしたことがなかったのですが、大人になって不意に転んでしまった時明らかにダメージが身体に残ってしまうことです。

転ぶことが下手になった?とも思いましたが、転ぶこと自体に恐怖感も持つようになりました。

大人が派手に転ぶと筋を痛めるだけでなく、骨折や脱臼など中々に復帰しずらいダメージを負うことが少なくないです。

子供と比べて、大人は質量が大きいことで衝撃が大きくなることは事実としてあります。

けれどもどうもそれだけではなさそうです。

コケ方が下手。

端的にはそういうことだと理解しています。

先程は話した恐怖というモノが関係していますが、コケる時の大人は身体が強張って固まり衝撃を逃がす身体が出来上がっていません。

寧ろ悪化させてしまうように衝撃をモロに身体の中に通してしまいます。

では子供はどうでしょう?

転んだ時に基本的にはふにゃふにゃのまま転がることが多いです。

なので見た目はド派手ですが、意外と怪我が少なくケロッとしてそのまま走り続けたりしています。

それは脱力しているともいえます。

もう少し踏み込んでいうとしたら、緊急事態での脱力。

この能力が備わっています。

だとすればなぜ大人はこうならないのでしょうか?

もう子供の頃のように緊急時の脱力は出来ないのでしょうか?

答えはバツです。

大人になるにつれて元の能力を使わない時間が長過ぎて、その結果忘れてしまっているだけだと個人的には考えます。

元々出来ていたことなので、それを身体に思い出させることが出来れば動物のような脱力した動きが可能になります。

ではどうすれば思い出すことが出来るかという話ですが、一つは子供の頃のように野山を駆け回ることが挙げられます。

地面が不安定、全身をこまなく使うなどなどこれが1番早いとは思います。

ですがそんな経験は中々出来ないことは承知しています。

なので立芯道場では、四つ足歩行(動物歩き)を推奨しています。

転んだ時の反応を引き出すための要素が詰まっている誰にでも出来る運動です。

子供の体操教室などでもよくやっているものです。

それを大人が敢えてやる。

その意味があると考えます。

四つ足歩行がキツければ、ハイハイからでも構いません。

1分でも行えば、驚くほど身体が鈍っていることに気付くでしょう。

それくらい運動不足なのが現代人の特性だともいえます。

緊急事態での脱力は、

怪我の防止の話しだけでなく、アスリートの身体能力向上、そして護身術にも直結するモノです。

難しい技術や、高い機材、健康食品を試すだけでなく、本来の動物としてのヒトの機能を思い出させる。

そんなところに目を向けることは如何でしょうか?

子供の頃のあの自由な身体を取り戻す。

そのためにも武術を楽しむことをお勧めします^_^