武術の世界では、「息を制する者は、動きを制す」と言われることがあります。
けれど、最初から呼吸をどうこうしようとすると、かえって動きが固くなってしまうものです。
わたしがこれまで稽古を重ねてきた中で感じているのは、
「呼吸は、まず自然であることが最適」ということです。
無理に長く吸おうとしたり、強く吐こうとしたりすると、身体のどこかに余計な力が入ってしまいます。
それは、芯からの動きではなくなってしまうのです。
だからこそ、最初は何よりも自然であること。
ただ立ち、ただ動く中で、自然と呼吸が流れていく。
その“当たり前”をまず取り戻すことが、姿勢の土台になります。
そして、あるときから。
呼吸が整い、身体の力みが抜けてきたら、少しずつ“息を使う”という感覚が芽生えてきます。
動きと呼吸がつながり、呼吸で間をつくり、呼吸で力を伝えるようになる。
そのとき、ただの呼吸が“技”になっていきます。
息をコントロールするとは、力で押さえることではありません。
自分の内側にある流れを感じ、その流れを導くように使うということです。
それは、まさに姿勢そのものと同じです。
呼吸に始まり、呼吸に還る。
その感覚を大切にしながら、わたしは今日も静かに立ち続けています。
息は、命の使い方そのものです。
どうか、ご自身の息に意識を向ける時間を持ってみてください。
そこから、あなたの姿勢も、日常も、静かに変わり始めるはずです。
立芯《旅する姿勢家》
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あなたの息が、芯から流れ出す力となりますように。
