気がつけば、呼吸が浅くなっている。

それに気づいた瞬間、ああ、また外にばかり意識が向いていたのだなと知ります。

わたしたちの呼吸は、正直です。

忙しさに追われ、心が緊張し、身体が固まってくると、それに呼応するように呼吸は短く浅くなります。

けれど逆に、呼吸を深めることで、心も身体も自然と緩み、落ち着きを取り戻していく。

そんな小さな循環に、何度も助けられてきました。

わたしが武術や姿勢の稽古を重ねてきたなかで、最も変化を感じたのは、この「呼吸の質」でした。

深く、静かに、長く呼吸できるとき、動きには無駄がなく、心には澄んだ静けさが生まれます。

それは、立つことにも、歩くことにも、話すことにもすべてつながっているのです。

大きな変化を起こさなくてもいい。

たった一つ、「呼吸を深くする時間」を少しずつ増やしていくこと。

それだけで、日々の密度が変わっていきます。

深く息を吸い、ゆっくりと吐き出す。

それだけで、自分の中心に戻れる。

そんな瞬間が日々の中にあるだけで、世界の見え方すら変わっていくのです。

もし、最近疲れが取れないと感じていたり、心が落ち着かない日が続いていたなら。

ぜひ、ほんの少しだけ、呼吸の時間を持ってみてください。

それは「自分に還る」ための最も確かな入り口です。

わたしもまた、今日も呼吸に立ち返りながら、生きています。

立芯|身体の土台をつくる姿勢家