肚とは身体的・精神的な「中心」を指す言葉で、日本文化や武道、芸道において重要な概念の一つです。
海外ではこのニュアンスが伝わるのか興味がある所ですが、日本の方には基本伝わる概念だと考えます。
肚を括る
肚が立つ
肚を読む
肚に落ちる
肚に据えかねる
肚ができている
肚を固める
一度は聞いたことのある表現だと思います。
それくらい日常生活においても『肚』というものが浸透しており、それは普段から肚を使えという教えの裏返しではないでしょうか。
概念としての『肚』ではありますが、これは実際の身体感覚においても身体操作においても実在するものです。
肚を使うことが本当にできれば、筋力を使う運動とはまったくの別世界での身体の使い方に変化します。
その1番の特徴が、肚を使うと全身が繋がり連動します。
全身を使うという本来の意味は『肚』を使うことそのものということです。
スポーツ選手でも施術家でも音楽家でも武道家でも喉から手が出るほど欲しいと思われるこの『肚』の感覚ですが、現実問題としてほとんどの方が使用していません。
なぜなのか。
それは、この『肚』を正しく使うにはいくつかの条件が必要だからです。
まず第1に力んでいては使えません。緊張状態は表面だけが固まるか、全てが腑抜けになってしまうかなので全身が繋がるための張りがなくなるからです。そうするともう肚は使えません。
第2に姿勢が間違っていては使えません。先の緊張状態に繋がる話ですが、姿勢が歪んでいたりズレていればそれを補正するために普通では必要のない緊張が生まれます。気の流れが滞ることとも同じでありこれでは肚に力が入りません。
最後に手足は肚の力を伝えるための道具だということです。どれだけ肚が自由に動いて大きな力を出そうとしてもその先にある手足が正確に動かなければ先端に肚の力が伝わることはありません。これがとても難しいものであり、再現している人がほぼほぼいないので伝承することが難しいと感じます。
兎にも角にもこの現代において『日本の肚』を再生させる。
そのためには、日本の肚を使えている人を増やすことが必要だと考えています。
理論や想像ではない肚の良さがどうしても伝わりません。
なので幸運にも日常から肚を使っている立芯が、その全力をもって伝えることに注力をしていきたいと思います。
肚を使うと人生が変わる。
それくらい意味があることです。
無ければ自分で生み出せば良い、この精神でこれからも広めていきたいと思います。
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