「今日は技が決まらないな」
「いつもより反応が鈍い」
そんな小さな違和感を、武術の稽古ではよく感じます。
けれど、だからこそ思うのです。
技が出ない日こそ、自分の状態を映してくれている。
技は、相手に対して発するものではありますが、
同時に、自分自身の“今”を映し出す鏡でもあります。
身体が整っていなければ、技は通りません。
心がざわついていれば、間が狂います。
呼吸が浅ければ、動きに芯が通らず、力が拡散してしまう。
つまり、技の成否は、相手の問題ではなく、
自分自身の“状態のバロメーター”なのだと感じるのです。
これは、稽古に限った話ではありません。
日常における何気ない所作や、人とのやり取りの中にも、
「うまくいかない瞬間」があります。
そのときこそ、自分の身体の調子や、立ち方や、心の置き所を見直すチャンスなのかもしれません。
技を磨くとは、身体を知ること。
そして、身体を知ることは、自分の内側を深く観ることに繋がります。
派手な技や、見た目の動きに惑わされず、
ただ静かに、今日の自分の技を感じてみる。
それができたとき、わたしたちは技以上の何かを掴むのだと思います。
技が通るとき。
そこには、身体・呼吸・心、すべてが調和している感覚があります。
その瞬間のために、今日もまた静かに稽古を重ねていきたいと思います。
立芯《旅する姿勢家》
わたしの公式LINEでは、武術の技を通じて身体と向き合う感覚や、
動きを通して自分を知る稽古のあり方をお届けしています。
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あなたの技が、あなた自身の状態を教えてくれるやさしい指標となりますように。
