多くの人には利き腕というものがあります。日本においては、基本的には右腕が利き腕となっている方が多く、あらゆる道具も基本的には右腕が使うようにできているものが多いです。

昨今においては左利き用のものもだいぶ増えてはきましたが、依然として右利き用に社会全体が作られていると言っても過言ではありません。

その上で今回の話はどちらがいいという話ではないです。姿勢や身体操作を向上させる上で、利き腕というものがどういった機能を有しているかというところを書いていきたいと思います。

まず姿勢を身につける上において、左右のバランスを揃えたいという希望をよく聞きます。しかし利き腕というものがある限り、生活習慣においてその利き腕の方を多く使うという配置・配分になることは、すでに既定事項に値します。

なので、利き腕とそうでない腕の比率をたまに交換するくらいは良いですが、基本的にはそのバランスのまま、一番いい感覚を身につけていくというものが僕の伝えていることです。

この利き腕とそうでない腕があることで、とても良いことがあります。それは何かを行うときに迷わないということです。迷わないということは判断が早いということにもつながり、これは身体操作においてとても重要なものになります。

例えば、スポーツにおいてボールを取るであったり、何かを避けなきゃいけないといった場面の時に、「どちらの手でもできる」というのは、判断が二択になるということになります。しかし、これが「利き腕の方を使う」と決めてかかれば一択になるので、そもそも迷うという要素がありません。

その迷いというものは、速さにも関わるものであり、思考の疲れにも大きく響くものだからです。

利き腕があるからこそ、そちらからまず動く、そちらで処理をする。そういったものの上から構築していくと、迷いのない一本道が出来上がります。

そもそも人間の身体も、内臓の配置が左右バラバラであるように、本当の意味で全てのバランスが真ん中一本になるわけではありません。絶妙なバランスの中で「大体中心」という軸があるだけであり、そこを物理的に整えようとすると、いろいろな矛盾が生じていきます。

利き腕を生かし、そうでないところもちゃんと動かしていく。そういった意識から全身をつなげていくというふうに進めていきましょう。

あなたの日常が、少しでも深く、芯のあるものになりますように。

立芯|身体の土台をつくる姿勢家