人生で生きる上での奥義、それが「先出し」という精神だとはっきりと気づいたのは、事業主になってからでした。
武術の世界では「先手後手」という感覚があります。
そして、いついかなる時も、まずは先手を取るということが生き残る上で大事になります。
これはスポーツにおいても全く同じで、将棋などでも似たような形になります。「先に動けばいい」とは異なります。
この話には実質的・物理的には後手だとしても、精神的にそれを行うための「誘い」を行っていたり、事前に手を打っていたりする「先手」も含まれます。
そのため、単なる順番としての「先手・後手」という話とは違う、ということをまずは知っておいてほしいです。
その上で、事業や起業を行うためにまず何が必要かというと、「先出し」ということになります。
物を売るときのことを考えると分かりやすいかと思います。何か物を売るときには、その物自体を仕入れる必要があります。
その仕入れを行うために、まずは当たり前のように支払いを行い、その商品を手に入れた上で、手数料などを加味して販売して売る、そしてその利益を得る。この構造も、まさに先出しになります。
ただ、これは物があるから当たり前といえば当たり前の話ではありますが、物がなくても同じだということを、常々知るべきです。
なぜかというと、その方が豊かに生きることができるからです。
「買って買って」と伝えたり、
「かまってかまって」と伝えたり、
「褒めて褒めて」と伝えたり。
そんな方が周りにいたら、どう思うでしょうか?
ただの身内であれば、特にどうということはありません。しかし、それがいざ外の世界で同じようなことをしていませんか、ということです。
それをすることによってまともな人は自然と去ってしまい、それをすることで何か得をしようとするような人だけが周りに残ってしまう、ということになりがちです。
俗に言うテイカー気質というやつです。
「〇〇してくれたら〇〇を返す」
この後出しは猛毒です。
セーフティゾーンから一歩も出ずにそれを行い続けることによって、自分が傷つかないというメリットを大きく超えて、相手があまり喜ぶことができないというデメリットが付きまといます。
反対に、先出しをすることによって、そのこと自体を「やりたいからやる」ということで行っていることにおいて、もうすでに至福な時間を得ているという違いがあります。
「至福」という貴重な機会を相手次第で決めるのか、自分の行動で決めるのか。
先出しには、そういった本質的な精神が宿ります。
生き方や生きる姿勢にも関わるものであり、言語化をするとこんな形にはなりますが、意図的に無理にするものでもないとは思います。
そういう生き方をすると、そもそも幸福ですよという一つの提案なので、もしその感覚がなければ、一度そのように生きてみることをお勧めします。
好きなことを、一生。
今日の一立(ひとたち)が、その入口です。
立芯《旅する姿勢家》
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