弱き者が強き者をくじくときに必要なものは、力でもスピードでも体力でもなく、思考の瞬発力が重要だと考えます。

それは戦略とも言えるものですが、長いこと考えて出てきた答えが最善かというとそうでもなく、実際に起きている瞬間瞬間に選択をしていくその瞬発力こそが、常に生き残るために必要なピースです。

そして、思考の瞬発力とは、経験や体験に基づくことが大きく、いかにこれまでどれだけの失敗をして、それをどれだけ挽回してきたかということにつきます。

それをただただ繰り返すのではなく、その経験をもとにさらなる改善策や立ち直り策を考え、即座に実行する行動力までがセットで必要になります。

これは実際の危機的状態だけで訓練できるものなんかではなく、例えば誰もが一度は受けたことがあるであろう、学問のテストなどもこの類のものだと考えます。

いかに相手の求めているものを察知し、その回答を時間内に記入するか。
こんなにも思考の瞬発力のトレーニングとして身近なものは、なかなかないでしょう。

そして身体操作においては、ある一定の動きをひたすら練習するというのも稽古の一環ではありますが、完全に無限の可能性のあるフリーな状態で「何が起こるかわからない」という場において、自分がどう判断するかを安全に、かつ誰でも練習できるものとして「推手(ついしゅ)」というものをお勧めします。

これは古くから伝わる中国武術の稽古法の一種で、その意味を正確に把握し、勝ち負けにとらわれず、瞬発力や力に頼らず相手を活かすための「推手」においては、こんなにも人に伝授する稽古法として優れたものはなかなかないと考えます。

生きていくための思考の瞬発力の醸成。

これからも良いものは取り入れ、柔軟に、素早く思考できるように、これからも稽古を続けていきたいと思います。

好きなことを、一生。
今日の一立(ひとたち)が、その入口です。

立芯|身体の土台をつくる姿勢家