努力をすれば何でも叶うかというと、そこには条件があると考えます。
それは「楽しんでいる努力」と「苦労している努力」、どちらを行っているかということです。結論から言うと、楽しみながら行っている努力に勝るものはない、ということが物事の本質になります。
では、どうすれば楽しむことができるのか。
それは心の底からやりたいことや好きなことを行い、本当に向かいたい目的地に向かって進むことです。その過程で行う努力は、楽しむこととイコールになることが多いです。
しかし、何か目的を得るために、それまでの道中自体はそれほど好きでもない道を歩もうとすると、それは苦労を伴う「辛い努力」になってしまいます。辛い努力をずっと行っているとどうなるか。
それは「こんなに辛いことを行っているのだから、叶わなくてはいけない」という、一種の強迫観念に縛られることもあるでしょう。そしてそれが叶わなかったり、届かないことがわかった時に、そのこと自体を恨むようなことにもなりかねません。
努力というものは、本来自分自身の願いを叶えるための行動そのものを指します。
その道筋自体が楽しいことで埋め尽くされており、その途中でたとえ願いが叶わなかったとしても、「そこまでを楽しむことができた」という後悔の念が一切ないもの。それを「努力」と定義していけば、人生の進み方は大いに変わるでしょう。
僕自身の考えとしては、願いは必ずしも叶う必要はないと思って生きています。
その一つに、願いが本当にすべて叶ってしまったら、それはゴールと言ってもいい状態で、また次のゴールを見つけなければ、そこに向かう楽しみというものを味わうことができないからです。
なので、答えがないものに対して楽しく進んでいくこと。それが「努力」という名前であったとしても、そういう進み方をあらゆる人におすすめしたいと思っています。
武道を行う時に「黒帯を取りたい」という方が、過去にかなりの数いました。そして、その方たちが黒帯になった途端、目的が叶ったからと辞めてしまう姿もたくさん見てきました。
個人的には、黒帯は武道を行う上での通過点の一つであり、目的や目標はもっと先にあると思います。しかし、その人にとっては「取ること自体」が目的になってしまい、そのために修行を「我慢」して行っている。だからこそ、早くこの我慢から逃れたいがために、目的が叶った瞬間にそれを手放してしまう。そんな風に思えてなりません。
夢は遠くに、本当にやりたいことや好きなことを置いておく。そして、その距離は遠ければ遠いほど、楽しむ時間が増えていきます。そういったものを自分自身の本質として、自分の軸に置いておくことが、生きる上での豊かさにつながると思います。
あなたの日常が、少しでも深く、芯のあるものになりますように。
立芯《旅する姿勢家》
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