実際に身体操作の実験をすると、分かりやすい話があります。
パンチを本人が受けようとしたとき。
怖くて目を伏せてしまったり、身体が強張ったりすると思います。
しかし、それを「リングの外から」見ているときはどうでしょうか。
パンチがどういうふうに行われているのか。
どの部分を打とうとしているのか。
自分自身が当事者でなければ、はっきりとよく見えます。
これは、スポーツだけの話ではありません。
社会でも、全く同じことが言えます。
当事者のプレッシャーや、視野の狭さは、その時にはなかなか気づけません。
周りの第三者の意見によって、初めて気づく、ということが多々あるのではないでしょうか。
しかし、これらを鑑みて「そうだよね」と納得して終わらせるのは、とてももったいない。
なぜならば、「一歩引くとよく見える」というのは、技術として、当事者であっても使うことができるからです。
スポーツの超一流選手が、時々口にする言葉があります。
「自分自身を上から俯瞰するように見ている」
「客観的に見ている」
こうした状態は、まさにこのことを指しています。
これを行うことで、次のことが可能になります。
① 落ち着きを取り戻す
② 視野を広く持つ
③ 全体を把握する
「他人事」という言葉は、マイナスの文脈で使われることが多い表現です。
しかし実際には、「使える感覚」として身につけることで、あらゆる物事が有利に働く、という性質もあります。
例えば、消防の現場でも、こうした場面が多くありました。
火の勢いや、目の前の危険なことのみに集中しすぎると、心拍数が上がり、正常な判断ができなくなる。
そうした時の教えの一つとして、「自分が助ける人は、自分の家族ではない」などと言い聞かせて、平常心を取り戻す手法がありました。
実際、成果を最大限にするための手段として、この方法は非常に有用であると、僕は考えます。
あなたの日常が、少しでも深く、芯のあるものになりますように。
立芯《旅する姿勢家》
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