武術の本質的な面白さの一つは、「生き残る」という目的に対して、あらゆる手段が許されることです。正々堂々という概念はここでは無意味であり、戦いそのものも、無数にある選択肢の一つに過ぎません。
この考え方は、社会生活やビジネスにも応用できます。もちろん、倫理観は大切です。しかし、もし本当に守りたいものがあるならば、常識やルールに縛られるだけでは、その大切なものを守ることはできません。
たとえば、誰かを殴るのは一般的に許されませんし、法的にも禁止されています。けれど、もしも自分が殴られそうになったら、あるいは命の危険にさらされたら? その時は、状況や環境、その場にあるあらゆる手段を使うべきです。説得や、時には相手を欺くことさえも、命を守るために1%でも可能性が高まるなら、考慮する価値があります。
究極の護身とは、時には敵と仲良くなることも含まれます。柔軟な発想が必要です。戦いたくないからこそ、戦いに備える。この一見矛盾した考えこそが、生き残るための智慧です。
研ぎ澄まされた武力を、実際に使わず人生を全うすること。それこそが究極の理想です。しかし、そのためには、毎日の努力と積み重ねが欠かせません。
武術の狡猾さは、生き残るという目的に対して純粋であり、その力は大切なものを守るためにこそ発揮されるものです。この生き残りの哲学は、富裕層が大事にしている資産を守るためにも、治療家が患者を守るためにも、武術家やトレーナーが肉体と精神を高めるためにも、大きな示唆を与えるものです。
これからも、その奥深い世界を伝え続けていきたいと思います。
立芯《旅する姿勢家》
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