人生論

言葉に意味を与えない

言葉とは面白いもので、言葉によって励まされたり、打ちのめされたり、何かを学んだり、とても意味あるものとして、誰しもが使っているものです。

しかし、それを分解すると、例えば「あ・い・う・え・お」のように、一つ一つの音自体には意味はありません。ただ、その組み合わせによって、人間が後から意味を成すように作り上げてきたものです。そう考えると、言葉というのは非常に奥深いものだと感じます。

言葉は「言霊」とも言います。

丁寧な言葉を発することによって人は丁寧になるし、雑に扱えば雑な人生になる。それぐらい言葉というものは、とても大事なものになります。

しかし、この「大事なもの」と思っているからこそ、それが重要なものになるのであって、本来はただの音と言っても差し支えないでしょう。

その証拠に、言語の違う言葉を聞いたとしても、何ひとつ意味は理解できません。

その音自体に意味があるという説もありますが、それはあらかじめ意味がわかっているからこそ成立するものです。例えば、人間が動物の発する音をその感情や行動によって解釈していますが、実際はただこちらの想像で意味を捉えているに過ぎない、とも考えられると思います。

何が言いたいかというと、言葉や言語というものに必要以上に意味を与えないことが、人生を豊かに生きる上で必要なことだと言えます。

その言葉の奥に潜むものを自分自身で想像して探ってみたり、その言葉を必要以上に重く捉えてしまったりすることを手放してみてください。

得られる情報が流れた時点で、その音や言語自体には意味をなさなくなるような感覚で向き合うことによって、軽やかに言葉を取り交わすことができると思います。

僕自身は言葉、言語には囚われない方がいいと思います。武術の伝承においても、あまり名前をつけない方がいいという伝承方法があります。

それには、名前や名称をつけることによって人それぞれ解釈が変わってしまい、本当に伝えたいことが伝わらなくなるという事実があるからです。

感覚を感覚のまま、あるものをあるままで伝える。

言葉はその手段の一つにしか過ぎないということを把握した上で、これからも言葉というものを丁寧に使っていきたいと思います。

あなたの日常が、少しでも深く、芯のあるものになりますように。

立芯《旅する姿勢家》

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