阿吽の呼吸は、どこで育まれるのか。
消防署では、毎日食事の当番があります。順番に回ってくるのですが、新米は自分の番に関わらず、すべての食事で厨房に入らなければならない。これが「新米の掟」でした。
1から10まで教えてもらえるわけではありません。「自分で考えてやれ」という空気の中、厨房に入った瞬間に何が必要か、何をすべきかを感じ取り、確認しながら動く。それを毎食、繰り返します。
さらに、レストランとは違います。食事の最中に災害が入れば、鍋などのすべての火を消して現場へ向かう。戻ったら続きを慌てて作る。なかなかにスリリングな食事当番でした。
慣れてくると、自然と役割が分担されていきます。誰が何をすべきか、口で言わなくても分かってくる。支え合い、状況を見て臨機応変に動く。それが少しずつ身についていく。
この感覚が、そのまま現場の阿吽の呼吸につながっていると気づいたのは、僕が指揮をする側になってから、消防生活を10年以上経てからのことでした。
災害現場に着いた瞬間、今この瞬間に何が必要か、自分の役割は何か。周りのメンバーを見て、動きながら確認し、先へ進める。食事当番で繰り返してきた構造と、全く同じです。
食は命を紡ぐもの。それが仕事にも直結する。この感覚は今、事業を通じて誰かと関わる時にも、根幹として生きています。
あなたの日常が、少しでも深く、芯のあるものになりますように。
立芯《旅する姿勢家》
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