武術などで、相手の攻撃を受け止める時、どこで受け止めていると思いますか。
手の先端でしょうか。腕でしょうか。それとも肘でしょうか。
目に見えているものは、その先端の部位で受けているように思われます。
しかし、実際に受け止めているのは肚になります。
肚で受け止める、そこに流すという意識で受けるのと、手の先端だけでパッパッと受けるのでは、相手への影響力がまるで違います。
格上の相手と戦う時に対して、先端だけでは対処ができません。
どんな相手でも対応できるように肚で受け止め、その上で受け流すというところまで行くことができれば、相手を崩すことが可能になります。
これは物理的なものを受け止め、受け流すということだけに思われがちですが、相手の言葉や感情にも効くものになります。
相手の言葉を聞いてすぐに激昂し、反論して言い返す。
それは頭で相手の言葉を受けています。
感情も同じで、頭に入ってしまうと突発的に返してしまう傾向があります。
では、胸で受け止めるとどうなるか。
そうすると心が疲れてしまいます。
怒り、悲しみ、虚しさなど、あらゆる感情がぐるぐると渦巻くことになります。
その上で頭で考えて行動するか、それとも肚に落とすかで選択肢が全く変わってきます。
そして3つ目の選択肢として、相手の言葉や感情を「肚で受け止める、そして受け流す」ということがあります。
これができるようになると、まず頭は冷静になり、胸も呼吸が深くなって落ち着いて聞く・見ることができます。
その上で、どうしたいか(相手がどうしたがって動いているか)を肚で考え、肚で行動に移す。
そして最も良いのが、受け流すことです。
肚を通して受け流すことにより、「その場で何をすれば一番良いか」を肚に任せる状態を作ると、大体の物事はうまく流れることが多いです。
反射や反応が鋭い人ほど、肚で受け止めるという発想を持つことが、人対人のコミュニケーションにおいて重要なコントロール方法になります。
肚で受け止めるということで必要なものは、目、視覚で相手や物事をそんなに見ないということです。
なぜならば、目で見てしまうと、相手の小さな表情の変化や圧により、頭に近いところなのですぐに感覚的に反発してしまうからです。
見ているけど見ない。
これは武術において「目付け」ともいうものではありますが、見ることではなく、感じること、聴くことの方に重きを置いてその場を収めることをおすすめします。
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